島根町で観る!「加賀の旧潜戸」

旧潜戸「賽の磧(さいのかわら)」

加賀築港岸壁から正面に大きな洞穴が見えます。これが、年端もゆかぬのに、生命絶えた幼子の魂の集まる場所といわれ、苔むした小石積みし塔が無数に立ち並ぶ「賽の磧」旧潜戸です。

新潜戸が神様の潜戸であるのに対し、旧潜戸は「仏潜戸(ほとけくけど)」つまり、仏様の潜戸で、昔は「古潜戸(ふるくけど)」と呼ばれていました。

 

~二つや三つや四つ五つ、十にも満たない幼子が、西院(さい)の河原に集まりて、父恋し、母恋し、恋し、恋しと泣く声はこの世の声とはこと変り悲しさ骨身を通すなり~

その幼子が泣きながら河原の石を集めては塔を積みあげると伝えられ「一重積んでは父のため、二重積んでは母のため」と一心不乱に石を積んでいると、どこからか鬼どもが現れ、折角積んだ塔を片っ端から崩していく。すると、お地蔵様が現れて鬼どもを追い払い、幼い亡者を助けて下さると云います。

まだ朝日の昇らぬうちに賽の磧に行くと、崩れてしまった石の塔は積みなおされ、夜の間に石を積んだ子供の足跡が片足のみ点々と残っているが、朝日が昇るとその足跡はいつしか消えてなくなっていると云われています。

また、石の塔は、時化などで全て崩れても、子供たちが泣きながら一晩中かけて積みなおすなど伝説、伝承は数多くあります。

 
加賀の潜戸へは観光遊覧船で。
旧潜戸は遊覧船を降りてお参りして頂きます。
旧潜戸の水子地蔵様 無数の石の塔が並ぶ洞窟内
     
   
新潜戸、旧潜戸を巡る約50分の船旅。    

[関連リンク]加賀の潜戸コース